医事法規と優良誤認表示

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ブログの更新は久々となります。
山形市での訪問マッサージなら工藤はりきゅうマッサージ治療院、
院長の工藤 司です。

こんなニュースがありました。

 

健康食品チラシ、広告も差し止め対象 最高裁が初判断

http://www.sankei.com/affairs/news/170124/afr1701240034-n1.html

 

広告が消費者契約法上の「勧誘」に該当するか否かが争われました。
「勧誘」に当たるかどうかで、優良誤認表示の広告による消費者被害への対応が変わってしまいます。
で、最高裁は「広告」が「勧誘」にあたる場合もある、と判断したわけです。

そんなわけで消費者団体、消費者行政界隈ではこの判決は大きなニュースです。

 

その辺は私よりも消費者問題に詳しい弁護士の記事のほうがわかりやすいと思います。

 

広告も消費者契約法上の「勧誘」に含まれるとの新判断(最高裁)
http://stuvwxyz.cocolog-nifty.com/blog/2017/01/post-4e24.html

クロレラチラシ配布差止請求事件の控訴審判決

http://stuvwxyz.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-3333.html

 

また事業者側にとっても影響は大きいわけです。

 

ネット通販&広告業界などは影響大? 「広告も『不当勧誘』の取消対象」の最高裁判断とは

https://netshop.impress.co.jp/node/3921

 

 

当業界の関係で言えばホームページ上の表示が優良誤認表示等の場合、施術契約を取り消せることになります。
また適格消費者団体が表示の削除や優良誤認表示をした旨の告知を求めることもできます。

 

ただ、私が注目するのはこの裁判の一審判決です。
判決文はこちら。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=84833

 

裁判所の判断を示したところだけ抜粋します。
強調や下線などは筆者による。
読みやすくするために条数表示なども省略もしますので、詳しく知りたい方は判決文本文をお読み下さい。

 

 

第4 研究会チラシの優良誤認表示該当性について

 

 1 前記のとおり,不当表示規制の趣旨は,商品を購入させるための不当な誘導を社会から排除し,一般消費者の適正な商品又は役務の選択を確保することにあるから,商品の内容について「実際のもの...よりも著しく優良であると誤認される表示」をしたか否かは,業界の慣行や事業者の認識ではなく,表示の受け手である一般消費者の認識により判断されるべきである。 また,同条の「著しく」とは,当該表示の誇張の程度が,社会一般に許容されている程度を越えて,一般消費者の商品選択に影響を与える場合をいうと解される。

 

 2 わが国では,医薬品が,国民の保健衛生上極めて重要であることに鑑み,医薬品の使用によってもたらされる国民の健康への積極的,消極的被害を未然に防止し,その品質,有効性及び安全性を確保するため,薬事法により,医薬品は品目ごとにその製造販売について厚生労働大臣の承認を受けなければならず ,その承認をする際には,その品質,有効性及び安全性に関する調査が行われ,申請に係る効能又は効果を有するか否かを厳格に審査されている。


この承認を受けることなく医薬品を製造販売することはできず,これに違反した場合には刑罰を科せられる。 さらに,承認を受けていない医薬品につき,その名称,製造方法,効能,効果又は性能に関する広告をすることはできず,これに違反した場合 にも刑罰が科される。

 

なお,ある商品について「成分,形状,名称,その物に表示された使用目的・効能効果・用法用量,販売方法,その際の演述・宣伝などを総合して,その物が通常人の理解において」医薬品と認められるならば,客観的に薬理作用を有するものでないとしても,薬事法68条や85条の適用上は医薬品と解される(最高裁判所昭和57年9月28日第三小法廷判決・刑集36巻8号787頁参照)。したがって,医薬品と銘打って販売されているわけではない商品であっても,医薬品的な効能効果を謳って製造販売されれば,通常,薬事法68条の禁止に触れ,薬事法85条で処罰の対象とされることが多い。

 

 3 このように,わが国では,薬事法が制定された昭和35年以降,医薬品は厳格に規制され,国による厳格な審査を経て承認を得なければ製造販売することはできず,承認を受けていない医薬品は医薬品的な効能効果を表示することが刑罰をもって禁止されてきたのであるから,

 

^緻品的な効能効果を表示する商品があれば,当該商品が当該効能効果を有することについて国の厳格な審査を経た医薬品であり,

 

通常の事業者であれば,承認を受けた医薬品でない商品について医薬品的な効能効果を表示して販売しないであろうという社会通念が形成されているというべきである。 

 

そうすると,医薬品としての承認がされていない商品について,医薬品的な効能効果が表示されている場合,当該表示は,一般消費者に対し,当該商品があたかも国により厳格に審査され承認を受けて製造販売されている医薬品であるとの誤認を引き起こすおそれがあるから,優良誤認表示にあたると認めるのが相当である。

 

そこで,次に,研究会チラシの表示内容は,医薬品的な効能効果があると表示するものかを検討する。 

 

4 研究会チラシのうち,細胞壁破砕クロレラ粒等を服用したことにより,

「腰部脊柱管狭窄症(お尻からつま先までの痛み,痺れ)」「肺気腫」「自律神経失調症・高血圧」「腰痛・坐骨神経痛」「糖尿病」「パーキンソン病・便秘」「間質性肺炎」「関節リウマチ・貧血」「前立腺がん」

等の症状が改善したとの体験談を記載した部分については,人の疾病を治療又は予防する効能効果があることを暗示するものであり,一般の消費者に対し, 細胞壁破砕クロレラ粒等が医薬品であるとの誤認を引き起こすおそれがあるから,医薬品的な効能効果があると表示するものである また,それ以外の記載,すなわち「薬効のある食品であること」や「病気と闘う免疫力を整える」「神経衰弱・自律神経失調症改善作用」等の効用があることを記載した部分についても,人の疾病の治療又は予防を目的とする効能効果があることや,単なる栄養補給や健康維持を超え,身体の組織機能の意図的な増強増進を主たる目的とする効能効果があることを標榜するものであることは明らかであり,一般の消費者に対し,細胞壁破砕クロレラ粒等が医薬品であるとの誤認を引き起こすおそれがあるから,医薬品的な効能効果があると表示するものである。 

 

5 以上のとおり,研究会チラシによる前記第1の5に掲記認定の説明は,医薬品としての承認を受けていない細胞壁破砕クロレラ粒等の被告商品につき, 医薬品的な効能効果があると表示するものであり,一般の消費者に対し,細胞壁破砕クロレラ粒等の被告商品があたかも国により厳格に審査され承認を受けて製造販売されている医薬品であるとの誤認を引き起こすおそれがある。 また,上記のような表示は,商品の宣伝広告として社会一般に許容される誇張の限度を大きく踏み越えるものである。

 

したがって,研究会チラシの説明は,景表法10条1号所定の「商品...の内 容について,実際のもの...よりも著しく優良であると誤認される表示」として優良誤認表示にあたる。

 

 6 これに対し,被告は,原告がクロレラやウコギの効能効果が存在しないことを科学的に立証するのでなければ,研究会チラシによる説明が優良誤認表示にあたるとは認められないはずであると主張する。

 

しかし,細胞壁破砕クロレラ粒等の被告商品は,医薬品として製造販売するための承認を受けていない。したがって,研究会チラシが説明するような医薬品的な効能効果があろうがなかろうが,研究会チラシは,一般の消費者に対し,当該効能効果が国による厳格な審査を経ているかのごとき誤認を発生させるおそれがあり,商品を購入させるための不当な誘導となり,一般の消費者の商品選択に不当な影響を与えるのである。

 

したがって,医薬品的な効能効果を謳う商品の場合,景表法10条1号所定の優良誤認表示にあたるかどうかを判断するに際し,当該効能効果の有無を問うまでもないのであって,被告の当該主張は採用できない。

 

第5 結論 

 

1 以上に認定説示のとおりであって,被告は,研究会チラシを配布することにより,被告商品の内容について優良誤認表示を行ったと認められる。

 

 2 前記第1に認定の事実関係に照らせば,被告は,今後も,自己又は第三者を して,被告商品の内容について別紙1に記載の優良誤認表示を行うおそれがあると認められるから,原告は,景表法10条1号に基づき,被告に対し,別紙1に記載の優良誤認表示の差止め及び別紙1の行為が優良誤認表示である旨の 周知措置の履行を求めることができる。

 

 3 よって,原告の請求はいずれも理由があるからこれを認容することとし,訴訟費用につき民訴法61条を適用し,仮執行宣言は相当ではないからこれを付さないこととして,主文のとおり判決する。

 

 

一審の判決をわかりやすくすると

 

国の承認を得た医薬品にしか認められない、効果効能の広告を行った。

効果効能を表示している以上、薬事法で規制している医薬品である。

クロレラは医薬品としての承認は受けていない。

効果効能の広告は優良誤認表示である。

 

こんな感じになります。

 

この裁判では薬事法と景品表示法の問題ですが、医事法規と優良誤認表示という点では私が考えている、医師法、あはき法と不正競争防止法(品質誤認惹起表示)による訴訟と共通します。

 

「ある行為」を行うことをホームページ上で書いた。

「ある行為」は国家資格者にしか認められていない行為である。

そのホームページの施術所は無資格施術所である。

「ある行為」を行うことの広告は優良誤認表示である。

 

というわけです。

 

「ある行為」がどういう行為になるかは下図の「差止請求する表示内容」に書かれている行為です。
 

差止請求レベル

 

「ある行為」が要免許行為なら普通の人は無免許だとは思わないわけです。

 

だいぶ長くなりましたので説明はまた今度に。


 


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