第1回:不正競争防止法の概要

JUGEMテーマ:整体

(2017/01/28 20時追記)

このブログを初めてご覧になられる一般の皆様へ。

 

皆様にご理解いただきたいのは、このブログで提案してる訴訟を行う目的は、我々鍼灸マッサージ師などの権益確保のためではなく、患者さん、消費者などの国民を守るための訴訟である、ということです。

 

乳幼児に対する無免許マッサージで死亡事故が起きております(ずんずん運動事件)。
http://www.j-cast.com/tv/2015/10/27248975.html?p=all

 

死亡に至らなくても、整体やカイロなどの無免許施術で健康被害が生じていることが国民生活センターから報告されています。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120802_1.html

 

本来、無免許での施術行為は禁止されているのですが、最高裁が昭和35年に、それらの禁止処罰を「人の健康に害を及ぼすおそれのある行為」のみに限定してしまったため、無免許施術が放置される状況を招いています。

 

なので昭和35年の最高裁判例を変えない限り、第2,第3のずんずん運動事件を防げませんし、無免許施術による健康被害も防げません。

 

国民を守るための訴訟であることをご理解いただければと思います。

(追記終わり)

 

さて、判例変更の法廷戦略を何回かに分けて説明しようかと思います。

手の内を明かすのは、より多くの鍼灸マッサージ師の先生方に、原告として参加していただきたいからです。

また理想通りにいかなければ2回、3回と訴訟を起こす必要があります。
そのときに全国の先生方にご協力願えればと思います。

 

今回は不正競争防止法の条文や規定について。

 

不正競争防止法は経済産業省が所管しております。
で、概要についてまとめたテキストが経済産業省のサイトにあります。

 

不正競争防止法の概要[PDF]

 

92ページもありますので、必要なところだけ。

表示で5頁目に不正競争防止法の目的が書かれております。
というより第1条ですね。

 

この法律は、事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため、不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じ、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

 

「事業者間の公正な競争」を確保し、「国民経済の健全な発展に寄与すること」が目的と言えます。

 

表示10頁目に「4.不正競争防止法の体系(法律の全体構成)」とあります。

 

 

 

私が考えている訴訟は7番目のサービス等の品質等の誤認惹起表示を差し止める裁判です。

で、民事的措置として

 

○差止請求権 (3条)
○損害賠償請求権 (4条)
○損害額・不正使用の推定等 (5条等)
○書類提出命令 (7条)

 

が取れるわけです。

 

誤認惹起表示に関する詳しい説明は35ページ目からです。

条文は第2条第1項第14号です。

 

商品若しくは役務若しくはその広告若しくは取引に用いる書類若しくは通信にその商品の原産地、品質、内容、製造方法、用途若し くは数量若しくはその役務の質、内容、用途若しくは数量について誤認させるような表示をし、又はその表示をした商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供し、若しくはその表示をして役務を提供する行為


36ページ目には広告の例として「新聞、雑誌、テレビ、インターネット上の広告、POP広告」とあります。

 

 

37頁目になります。

 

 


「民事上の請求権者」として「通常は、競争関係にある事業者が該当する。」と書かれており、整体やカイロなどの無免許業者に対しては我々、国家資格者である鍼灸マッサージ師はもちろんのこと、傷病の治療をうたっているのであれば病院、診療所も競合関係にあると言えます。

 

また医療免許保有者のみならず、無免許業者同士でも競合します。

 

「一般消費者には原則として請求主体性が認められない。」とありますが、景品表示法や消費者契約法に基づき、優良誤認表示の広告に対する差止請求や、契約の取消が認められるのはクロレラ裁判で示された通りです。

 

なので我々が無免許業者の優良誤認表示に対する判例を確立した後、消費者が訴訟を起こす事態も考えられます。

 

38ページ目には過去の判例が載っております。

 

 


この中で我々が参考にすべきは本みりんタイプ調味料事件、清酒特級事件です。

 

級別の審査・認定を受けなかったために旧酒税法上「清酒二級」 とされた商品であるビン詰の清酒に「特級清酒」の表示証を貼付する行為は、たとえその清酒の品質が実質的に特級清酒に劣らない優良なものであっても、誤認惹起行為に当たるとした。(清酒特級事件-最判昭53.3.22)

解説にも

国や公的機関等による認定・保証等があるかのように装った表示は、実質的にはその認定基準等を満たした品質・内容であっても該当する場合がある。

 

とあります。

 

クロレラ裁判では医薬品とは名乗っていませんでしたが、医薬品にしか認められない効能効果の表示が優良誤認表示と認定されたわけです。

そのため要免許行為を行う旨の表示も優良誤認表示、品質誤認惹起表示と言えるでしょう。


で、48ページ目から「民事上の措置の概要」です。
上記のように

 

○差止請求権 (3条)
○損害賠償請求権 (4条)
○損害額・不正使用の推定等 (5条等)
○書類提出命令 (7条)

 

が品質誤認惹起表示では使えます。

 

差止請求は第3条でして

 

不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求すること及び侵害の行為を組成した物の廃棄等を請求することができる。

 

とあります。なのでホームページ上から品質誤認惹起表示となる表現の削除を求めることができます

 

そして損害賠償請求です。

 

故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の利益を侵害した者に対して、損害賠償を請求することができる。

 

この損害額の推定のために第5条の規定があり、「侵害行為により侵害者が得た利益の額」が被侵害者の損害となります(49頁)。

要免許行為を行うことを広告しての利益ですからほとんどの利益と言えるでしょう。

 

そして第7条では

裁判所は、当事者の申立てにより侵害行為について立証するため又は損害の計算をするため必要な書類の提出を命ずることができる。

 

とあり、不正競争で得られた利益の立証が容易になります(51頁)。

 

無免許業者に対し、品質誤認惹起表示(優良誤認表示)による損害賠償を求める場合、確定申告書などの会計書類を求めることができるわけです。

 

もし地域内の国家資格者が全員原告になった場合、それまでの利益を全額、損害賠償として無免許業者に払わせることも可能です
 

昭和35年の判例を変更するために用いる不正競争防止法の内容は以上になります。

 


第2回:品質誤認惹起表示(優良誤認表示)
第3回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその1(レベル5)
第4回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその2(レベル4)
第5回:要免許行為の表示の差し止めを求めるーその3(レベル1〜3)
第6回:差止請求


コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< July 2019 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

書いた記事数:131 最後に更新した日:2019/05/23

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM