書評:薬害エイズに関する二冊

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思うことがあり、薬害エイズ事件に関する以下の二冊を読んでみました。

安部英医師「薬害エイズ」事件の真実 編著 武藤 春光  弘中 惇一郎 2008年
安全という幻想: エイズ騒動から学ぶ 郡司 篤晃 2015年

前者は安倍英医師医師の弁護団や元ミドリ十字社員、厚生省の元生物製剤課長の郡司篤晃氏が書いており、後者は郡司氏の単著です。

言ってみれば薬害エイズ事件の「加害者]側の著作です。

薬害エイズ事件の概観に関してはwikipediaの記事を参照していただくとして、いわゆる帝京大ルートに関し、刑事責任を問われた安倍医師および当時の生物製剤課長の松村明仁氏は無罪です。

薬害エイズ事件の刑事裁判の報道をリアルタイムで見ていた人は安倍医師の無罪判決に関し、予想外の判決と思った人が多かったのではないでしょうか。
私もその一人でした。

これらの著書を読んでみると血友病患者のQOLの改善にいかに非加熱製剤が貢献したか、というのがわかります。

血友病は簡単に言えば出血を止める凝固因子が欠如している病気です。
出血を放置していれば生命に関わる場合や後遺症などを残すこともあり、出血した時には凝固因子を体内に補充する必要があるわけです。

非加熱製剤の前に使われていたクリオ製剤は病院などで点滴で投与する必要があり、出血してから補充までのタイムラグがありました。
また製造方法の問題によりアレルギーを起こすタンパク質を完全には除去できず、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性もありました。

非加熱製剤は自己注射により出血後、直ちに凝固因子を補充できます。
またアレルギー反応の問題も解決されたようです(前書p89)。

非加熱製剤によるエイズ感染の可能性を早期に検討していたものの、非加熱製剤による治療をやめて、従来のクリオ製剤による治療に戻すだけの確固たる証拠が無かった、というのが実際だったようです。
前述したようにクリオ製剤による治療は非加熱製剤による治療よりもQOLの低下が著しく、場合によってはアナフィラキシーショックで死亡する可能性もあります。
不十分な証拠ではクリオ製剤に後退はできなかったのです。

安倍医師が、加熱製剤の開発が遅れていたミドリ十字のために治験を遅らせた、という説も報道されていましたが、実際には加熱製剤を開発する5社の治験を共同化することにより治験にかける時間を短縮したということです。

その他、詳しいことはこの2冊をご覧いただければと思います。

私がなぜこんな本を取り上げたかというと、厚生省が平成3年に出した通知、「医業類似行為に対する取扱いについて」が第二の薬害エイズである、と考えたからです。


この通知を私が何故、第二の薬害エイズである、と言えるのかを説明するにはもう一つ、判例を解説しなければいけませんので詳しくは後日に書きます。

問診を医行為と認定した医師法違反の最高裁判例と、通知で示されている「脊椎原性疾患の施術に関する医学的研究」をご覧いただければ禁忌判断をするために問診が不可欠なカイロプラクティックを医師法違反としなかったはなぜか?という疑問が出てくると思います。

このカイロプラクティック通知を薬害エイズと同様に扱ったら血友病患者のエイズ感染阻止のために奮闘した安倍医師や郡司氏に失礼だと思った次第です。

もちろん、この二冊は一方の立場のみの意見です。
手持ちの医事法判例百選でもこの事件は取り上げられており、無罪判決に疑問を呈する内容となっております。
ただ、理系の人間から見てみると科学の世界を知らない法律家の意見という感じではあります。


工藤はりきゅうマッサージ治療院
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